Column201303 of 川本法務事務所

契約書の雛形という不思議

2013-3-16

契約書の雛形という不思議

いろいろな所で「契約書の雛形」という考え方は、本来はあってはならないということをお話させていただいています。
企業の法務担当として、行政書士として、この10年以上の間多くの契約書の作成に携わってきましたが、契約というものには一つとして同一条件のものはありません。ですので、本来は「契約書の雛形」という考え方は存在しえないのです。

しかし、実際には、多くの企業が、一定の雛形というものを持っています。
例えば、アパート・マンションを借りるときには、不動産業者は賃借人に対して「当社のフォーマット」という契約書を提示してきて、これに印鑑を押すように言ってきます。同様に、多くの巨大企業は、取引先に対して「当社の契約書」といって、同一の文言が書かれた統一フォーマットを提示してきます。
そして、これらの多くが、契約に関する個別交渉を許さず、提示された契約書面にサインをするかしないかの二択以外には選べないという状況になってしまうのです。
これは、多くの取引先を、個別の契約条件で管理していくのが大変なので、このようなやり方を採っているという、経済合理性を追求した結果だと思われます。

しかし、この「個別交渉を許さず」という点は、本来はあってはならないことであって、契約書は契約当事者双方が納得できる内容にしなければならないのが原則でしょう。

最近では、契約書の雛形というものが売られていたり、士業者によっては無料配布をしていたりします。そして、士業者も、こういった雛形を無批判に利用しているという実態があります。
これは、非常に危険なことだと思っています。
もちろん、契約書のパターンを持っているということは、決して悪いことではありません。むしろ一から条文を創作するよりも、手間が省ける可能性が高いのは事実です。
しかし、この前提は、契約当事者間の取引内容が明確にわかっていて、パターンとなっている契約書を修正する能力を有していることが絶対条件です。これがわからないまま、無批判に契約書の雛形を使うことは、将来に思わぬ落とし穴が待っている可能性があるということになります。

私の場合、今までに多くの契約書を作ってきましたので、一定のパターンを持っていることは事実ですが、毎回契約条文は打ち直しています。この打ち直す過程で、今回の取引における問題の発見、問題解決のための方法、条文の書き方を考えるなどの作業が行われ、そしてその取引にマッチした契約書ができるということになるのです。

もう一度だけ、書いておきます。契約書には一つとして同じ取引は本来存在しません。ですので、すべて同一条件の契約書などというものは、世の中には存在しえないですし、これを理解して、契約書を上手に利用してほしいと切に願っています。

フランチャイズショー2013

2013-3-06

フランチャイズショー2013

今年も、フランチャイズショーの季節がやって参りました。
一昨年、昨年につづき、今年もフランチャイザーから交付される書類の見方・読み方をテーマにしてお話をさせていただく機会がありましたが、今年も満員御礼でした。
熱心に聞いて下さった方がいらっしゃいましたら、この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。
セミナー自体は、70分でいろいろなことをお話しなければならないため、かなり早口でしゃべり倒す状態になってしまうのは毎年のことですが、今年も相変わらずのボリュームだったように思います。
セミナーの中で申し上げたかったのは、加盟を希望される皆さんの自己責任についてです。
神ならぬ人間のことですから、上手くいかないときがあると、ついつい人に責任転嫁をしたくなるのは仕方ありません。しかし、フランチャイズ加盟の場合、責任転嫁をしたところで、残念ながら損失はなくならないですし、赤字も解消されません。お金も戻ってはこないのです。
なので、責任転嫁をしたくなるまえに、自己責任でフランチャイザーを選び、ビジネスを選択するということをやってほしいということをお話させていただきました。

今年は、国際ブースができ、私も午前中はそちらに詰めていました。
国際展開を目指すフランチャイザーさんが増えて来たという感じもします。しかし、国際展開というのは改めて難しいものだと感じる次第です。
一昨年、マカオのフランチャイズエキスポにいったときに仲良くして頂いたマカオの貿易投資促進局の友人も来日し、今年ははじめてブースを構えていました。
このフランチャイズショーが、国際的なフランチャイズ展開の一助になればと感じた次第です。
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